民放BS4Kは2027年1月に全局終了へ|4K番組はWOWOWオンデマンド無料配信に移行【2026年9月最新】

民放BS4K廃止

民放BS5局のBS4K放送は、2027年1月24日以降の衛星基幹放送業務認定を更新せず、全局が終了する。放送終了日は全ての民放キー局系4Kの5局が2027年1月23日で確定した。各局が制作した4Kコンテンツは、WOWOWオンデマンドの無料「BS4K配信サービス」として2026年10月1日から配信されることが決まった。WOWOWへの加入やWebアカウント登録は不要で、インターネットに接続した4K対応テレビから視聴できる。ただし、具体的な番組ラインアップやサービス概要は10月1日の開始時に発表される。NHK BSプレミアム4Kはこれまでと変わらず放送を続ける。アンテナや受信設定、放送録画について、視聴者側に必要な対応はない。

目次

民放BS4K 5局の終了はすべて決定済み

2026年3月27日から4月15日にかけて、民放BS5社が相次いで衛星基幹放送業務認定(放送免許)を更新しない方針を発表した。これにより、キー局系のBS4K放送はすべて終了する。

各局の発表内容

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局撤退表明放送終了日終了日の発表撤退表明リリース
BSテレ東4K2026年3月27日2027年1月23日撤退表明と同時BSテレビ東京 ニュースリリース
BSフジ4K2026年3月27日2027年1月23日2026年8月3日BSフジ 広報リリース
BS-TBS 4K2026年4月15日2027年1月23日2026年7月27日BS-TBS ニュースリリース
BS日テレ4K2026年4月24日2027年1月23日撤退表明と同時BS日テレ お知らせ
BS朝日4K2026年4月3日2027年1月23日2026年9月2日BS朝日 ニュースリリース

BS朝日4Kの発表で全局の放送終了日が「2027年1月23日」で揃ったことで、民放BS4Kの停波日はこの日に収束した。

1局だけ経緯が異なるのがBS日テレ4Kである。他の4局が2018年12月1日の4K放送開始に足並みを揃えたのに対し、BS日テレ4Kの放送開始は2019年9月だった。BS日テレ自身も終了リリースの中で、2019年9月の開始以来、高画質・高精細な映像体験を軸にコンテンツを提供してきたと説明している。約7年4か月での幕引きとなる。

通常のBS放送(2K)は継続する

終了するのは「BS4K」ボタンで選局する高精細放送だけで、リモコンの「BS」ボタンで見る現行のBS 2K放送は各局とも継続する。BS放送の仕組みそのものについてはBS放送完全ガイドで解説を予定している。BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSテレ東、BSフジの番組が見られなくなるわけではない。

移行先は「WOWOWオンデマンド」の4K無料配信

2026年9月8日、BS民放5社とWOWOWは、各局の4KコンテンツをWOWOWオンデマンドで無料配信する「BS4K配信サービス」を10月1日から開始すると発表した。3月の共同発表で示されていた「2026年秋(予定)」が、具体的な開始日に更新された形だ。

BS民放5社、「WOWOWオンデマンド」で無料の「BS4K配信サービス」を10月1日より開始!

2026年9月8日時点で確定した内容は以下のとおり

  • サービス名は「BS4K配信サービス」
  • WOWOWオンデマンドで2026年10月1日から開始
  • BS民放5社の4Kコンテンツを無料配信
  • インターネット接続された4K対応テレビで視聴可能
  • WOWOWへの加入は不要
  • WOWOWのWebアカウント登録も不要
  • スマートフォン・タブレットのWOWOWオンデマンドアプリおよびブラウザは視聴対象外
  • TVerからWOWOWオンデマンドへの遷移・誘導にも取り組む

まだ発表されていないこと(未確定)

一方、具体的な番組ラインアップやサービス概要は、10月1日のサービス開始時に発表される予定である。配信される番組の範囲、画質や音声の仕様、テレビ側でのアプリ操作などは、正式発表を確認する必要がある

今回の発表により、少なくともWOWOWへの加入とWebアカウント登録は不要と明確になった。ただし、スマートフォンやタブレットでは視聴できず、インターネット接続された4K対応テレビが必要になる点には注意したい

撤退の背景にあるのは構造的な赤字

各局が挙げた理由は共通して「インターネット配信の急速な拡大とスマートデバイスの普及による視聴環境の変化」「広告収益の確保が困難な状況」である。

金額として公になっている数字もある。TBSホールディングスは2025年9月8日の総務省 衛星放送ワーキンググループ(第15回)で、BS4K放送は当初から収支が厳しく累計でも大きな赤字であり、2024年度も約8.5億円の赤字だったと報告した。同資料では、テレビ視聴データに基づくリーチ率も示され、BS-TBS 4Kは地上波TBSやBS-TBS(2K)と比べて桁違いに低い水準にとどまっていた。撤退は個社の判断というより、事業構造そのものが成り立たなかった結果である。

総務省の議論の位置づけ

総務省は2023年11月から「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会 衛星放送ワーキンググループ」を開催し、2024年10月に取りまとめを公表した。その後、「4K・8K推進のためのロードマップ」(2015年7月公表)が射程としていた2025年を迎えたことを踏まえて2025年7月に会合を再開し、2025年12月に第二次取りまとめを公開している。ここでは衛星放送業界が厳しい状況に直面していることを確認したうえで、地方局でも制作環境の4K化は進む一方、制作した4Kコンテンツを流通させる「出し口」が十分でないことなどが課題として挙げられた。

映像と通信の技術者である筆者の見方を述べると、この議論には構造的なねじれがある。4Kという規格の維持を求める政策側に対し、民放側が抱えていたのは「衛星というインフラを自前で持ち続けるコスト」の問題であり、両者は同じ土俵に立っていない。4Kコンテンツの制作自体は各局とも継続する方針を示しており、放棄されたのは画質ではなく伝送路である。民間放送事業者に直接の資金援助を行う仕組みが存在しない以上、伝送コストを負担できない事業者が伝送路を手放すのは合理的な帰結だった。

2027年以降も「放送」で見られる4Kチャンネル

すべての4K放送が消えるわけではない。BS4Kチューナーで受信できるチャンネルは以下のとおり残る。

チャンネル2027年以降補足
NHK BSプレミアム4K継続会長が定例会見で継続方針を明言
ショップチャンネル4K継続2025年4月1日に左旋から右旋へ移行済み(リモコン11)
4K QVC継続同上(リモコン12)
NHK BS8K継続左旋。効率化を図りつつ継続

NHK BSプレミアム4Kは従来どおり継続する

NHKの井上樹彦会長は2026年4月の定例記者会見で、民放各社の動向を承知したうえで、これまでどおり4Kコンテンツの制作とBS4K放送に取り組む考えを示した。具体例として、2026年6月開幕のサッカーワールドカップ全104試合をBSプレミアム4Kで放送することを挙げている。

8K放送については、4K・2Kとの一体制作や編集を要しない生放送を増やすことで制作を効率化し、中継車やスタジオの設備投資も抑制する方針を示した。今後のあり方は国内外の動向を踏まえて検討中としている。

視聴者側で必要な対応は何もない。NHK BSプレミアム4Kは民放5局と同じBS右旋で放送されており、民放が停波しても電波の届き方や受信レベルが変わることはない。アンテナの交換も、ブースターや分配器の調整も、チャンネル設定のやり直しも不要である。BS4K対応テレビやレコーダーは、これまでと同じ操作でNHK BSプレミアム4Kを視聴・録画できる。

「4K放送が終わる」という見出しだけを見て、手持ちの4Kテレビが無駄になったと考える必要はない。終わるのは民放5局分のチャンネルであり、放送というインフラそのものではない。

通販2局は「右旋」への移行で視聴世帯を確保済み

ショップチャンネル4Kと4K QVCは、2025年4月1日12時にBS左旋帯域からBS右旋帯域へ移行した。右旋はハイビジョンのBS放送と同じ電波・周波数帯域を使うため、既存のBSアンテナや配線を交換せずに、4Kチューナー内蔵テレビ等があれば無料で視聴できる。左旋の専用アンテナが不要になった意味は大きい。

この移行に伴い、左旋で放送されていた両局の4K放送は2025年3月31日に終了し、左旋を使う4K放送はなくなった。現在、左旋で放送されているのはNHK BS8Kのみである。

移行の効果は数字にも表れている。QVCは右旋への移行によって受信可能なテレビが約2,200万台(2025年1月末現在)に拡大するとしていた。左旋では専用アンテナの設置が必要で、対象世帯が大きく絞られていたためである。通販は映像の質が売上に直結する分野であり、視聴可能世帯を確保できる右旋であれば、放送インフラを使い続ける経済合理性がある。

技術者の視点:放送から配信への移行で実際に変わること

視聴者の立場で影響が大きいのは、画質そのものより「品質の安定性」と「録画」の2点である。

品質の安定性:衛星放送は全国一律の帯域で配信され、受信レベルが確保できていれば時間帯によらず同じ品質で届く。対してインターネット配信はアダプティブビットレート方式が一般的で、回線が混雑すれば解像度やビットレートが自動的に落ちる。同じ「4K」表記でも、実効品質は宅内・アクセス回線の状態に左右される。

録画:NHK BSプレミアム4Kの録画は、これまでと変わらず可能である。放送が続く限り、BS4K対応レコーダーでの予約録画もディスクへのダビングも従来どおり機能する。一方、民放5局の4K番組は停波後に録画できなくなる。移行先の配信サービスは原則として録画に対応しないため、民放の4K番組を「保存して繰り返し見る」という運用は成立しなくなる。残したい番組がある場合は、2027年1月までに録画しておく必要がある。

必要な通信環境:4K配信を安定して視聴するには、実効で25Mbps以上の帯域を継続的に確保できる環境が望ましい。光回線に加えて、宅内のWi-Fi環境がボトルネックになるケースも多い。テレビを有線LANで接続できるなら、それが最も確実である。宅内無線の設計についてはWi-Fi 6/6E/7完全ガイドを参照されたい。

これから4Kテレビ・レコーダーを買う人への影響

テレビ選び:4K番組を「チャンネルを回して見る」時代から「アプリで選んで見る」時代への移行が進む。配信アプリの動作速度、対応アプリの数、OSのアップデート提供期間を重視すべきである。機種選定の考え方はテレビ完全ガイドにまとめている。WOWOWオンデマンドはGoogle Play等で配信されており、対応するスマートテレビにインストールして大画面で視聴できる。

4Kチューナーの位置づけ:不要になるわけではない。NHK BSプレミアム4Kは継続するため、4Kチューナー内蔵モデルを選ぶ意味は残る。スポーツ中継や大型番組を、回線状況に左右されない安定した品質で見られるのは放送だけである。ただし民放4Kを目当てに4Kチューナー搭載機を選ぶ理由は、2027年1月以降なくなる。

レコーダー選び:BS4K録画を主目的に高価な4K対応レコーダーを新規購入する妥当性は下がった。地デジ・BS 2Kの録画性能とディスクメディアの入手性を軸に判断するのが現実的である。詳細はブルーレイレコーダーの選び方(2026年版)で後日解説する。

よくある質問

2027年1月にBSの民放が全部見られなくなるのですか

いいえ。終了するのはBS4K放送のみで、通常のBS(2K)放送は継続する。

NHKのBS4Kも終わるのですか

終わらない。NHK BSプレミアム4Kは継続する。会長が定例記者会見で継続方針を明言しており、2027年以降も従来どおり視聴・録画できる。アンテナや受信設定の変更も不要である。

すでに買った4Kテレビは無駄になりますか

ならない。NHK BSプレミアム4K、ショップチャンネル4K、4K QVCの受信は継続でき、配信アプリでの4K視聴も可能である。

4K放送を録画したデータは残りますか

放送終了後も、すでに録画した番組の再生は可能である。ただし機器の買い替え時にダビング・移行の可否は録画方式に依存するため、事前確認を推奨する。

WOWOWの有料契約は必要ですか

いいえ。WOWOWが9月8日に発表した「BS4K配信サービス」は無料で、WOWOWへの加入は不要です。Webアカウント登録も不要と案内されています。サービスは10月1日に開始されますが、具体的な番組ラインアップやサービス概要は開始時に発表される予定です。なお、スマートフォン・タブレットのWOWOWオンデマンドアプリおよびブラウザでは視聴できません。

まとめ

  • 民放BS4K 5局は2027年1月24日以降の認定更新を行わない。全局が2027年1月23日に放送終了で確定。
  • 4Kコンテンツは、WOWOWオンデマンドの無料「BS4K配信サービス」として2026年10月1日から配信開始。WOWOW加入・Webアカウント登録は不要
  • 視聴にはインターネット接続された4K対応テレビが必要。スマートフォン・タブレットのアプリやブラウザは視聴対象外
  • 番組ラインアップとサービス概要は10月1日のサービス開始時に発表予定
  • NHK BSプレミアム4Kは従来どおり継続。アンテナ・受信設定・録画のいずれも変更不要で、視聴者側の対応は不要
  • ショップチャンネル4K、4K QVC、NHK BS8Kも継続。放送インフラ自体がなくなるわけではない
  • 影響が大きいのは画質より「録画」と「回線品質への依存」

2026年10月1日のサービス開始時に、番組ラインアップやサービス概要が発表され次第、本記事を更新する。

4KTV.jpの更新情報をGoogle検索でも見つけやすく

参考・出典

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この記事を書いた人

4ktv管理人|通信・映像技術エンジニア
東京在住。映像・通信インフラの現場で30年以上技術を磨いてきた現役シニアエンジニアです。
放送とネット配信の融合が進み、視聴環境は便利になった一方で仕組みは年々複雑になっています。長年の知見を、次世代や一般の視聴者にわかりやすく伝えたいという思いから本サイトを立ち上げました。
第一級陸上無線技術士・電気通信主任技術者などの国家資格に裏打ちされた正確な情報をベースに、ラジオの感度向上から最新の4K配信、周辺機器選びまで、技術的根拠を持って解説します。

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