地上波テレビで見られる番組は、住んでいる都道府県と受信方法の組み合わせで決まる。系列局がすべて揃う地域ならアンテナや光回線で十分だが、民放が2〜3局しかない地域ならCATVの区域外再送信で他県の系列局を追加できる可能性がある。県境付近であれば高性能アンテナでの直接受信という選択肢もある。
①全系列(NNN・JNN・FNN・ANN・TXN)が視聴可能な地域に住んでいる場合、アンテナか光回線で問題ない。
②民放が2〜3局しかない地域に住んでいる場合、CATVの区域外再送信サービスで他県の系列局を追加できるか事業者に確認するとよい。
③県境付近に住んでいる場合、高性能アンテナで隣県の電波塔へ向け直接受信できることがある
地上波テレビの「系列」とは何か
系列とは、番組や報道素材を提供し合うために東京のキー局を中心に結ばれた放送局同士のネットワークを指す。日本の民放は主にNNN・JNN・FNN・ANN・TXNの5系列で構成され、どの系列局が自分の地域にあるかで見られる番組が変わる。
主要な5大系列と特徴一覧
| 系列ネットワーク名 | キー局(東京) | 特徴・主な番組 |
|---|---|---|
| NNN/NNS | 日本テレビ | 全国を網羅する最大級のネットワーク |
| JNN | TBSテレビ | ドラマや報道番組に強い |
| FNN/FNS | フジテレビ | バラエティ・ドラマが豊富 |
| ANN | テレビ朝日 | スポーツ中継や特撮番組に強い |
| TXN | テレビ東京 | 経済番組や独自路線のアニメ |
つまり、都市部では5系列すべてが視聴できるが、地方では2〜3系列しか受信できない地域もあり、そうした地域では他系列の人気番組が数週間遅れで放送されるか、そもそも放送されないことがある。
引越しの際は、そのエリアにどの系列局があるかを事前に確認しておくと安心だ。都道府県別・系列別の一覧は民間放送局 都道府県別・系列別一覧にまとめている。
系列局が少ない地域でも視聴範囲を広げる受信方法
受信方法を変えることで、本来その県では見られない隣県の系列局が見られる場合がある。これを区域外受信と呼ぶ。
CATV(ケーブルテレビ)
地域のケーブルテレビ局と契約し、有線で信号を引き込む方法。区域外再送信を行っている事業者であれば、地元にない系列局を追加できる可能性がある。電波障害の影響を受けにくく映像が安定する一方、月額料金がNHK受信料とは別に発生する。仕組みの詳細はケーブルテレビの仕組み解説を参照してほしい。
光回線(フレッツ・テレビ等)
インターネットの光回線(FTTH)を使ってテレビ信号を受信する方法。アンテナ設置が不要で外観がすっきりし、悪天候でも映像が乱れにくい。ただし提供エリアが限られ、基本的にその都道府県内の放送局しか配信されないため、CATVのような隣県局の追加受信は期待しにくい。
UHFアンテナ設置
屋根の上などに八木式アンテナやデザインアンテナを設置する方法。設置費用のみで月額の視聴料がかからない一方、建物の陰など電波状況の影響を受けやすい。県境付近では、パラスタックアンテナなど高性能アンテナを隣県の電波塔へ向けることで、隣県局を直接受信(スピルオーバー受信)できる場合がある。
受信環境を整えるための2つのポイント
引越し後は必ずチャンネルの再スキャンを行う
テレビは物理チャンネル(周波数)をスキャンし、リモコンの番号ボタンに割り当てている。引越し後にテレビの設定メニューから初期スキャン(地域設定)をやり直さないと、以前の住居の設定のままとなり「映らない」というトラブルにつながる。
アンテナケーブルは規格を確認する
壁の端子からテレビまでをつなぐ同軸ケーブルにも規格がある。地デジ・BS/CS・4K放送を安定して見るためには、先頭に「S」が付いた衛星放送対応規格の「S-4C-FB」または「S-5C-FB」を使用するとよい。「S」の付かない旧規格や「3C」などの細いケーブルは信号が減衰しやすく、ブロックノイズの原因になりやすい(未確定:ケーブルの実効性能はメーカー・敷設距離により変動するため、長距離配線では販売店に確認するとよい)。
映像が映らない・乱れるときのトラブルシューティング
「E202(信号が受信できません)」などのエラーが出た場合は、以下の順に確認するとよい。
- アンテナレベルを確認する:テレビの設定画面で受信強度を確認する。推奨値を下回る場合はブースター(増幅器)の故障やアンテナの向きのずれが考えられる。
- アッテネーター(減衰器)を設定する:送信所の近くに住んでいる場合、電波が強すぎて映らないことがある。テレビの設定で「アッテネーター:オン」を試すとよい。
- B-CASカード/ACASチップを確認する:カードが正しく挿入されているか抜き差しして確認する。近年の内蔵型ACASチップ搭載テレビでは不要な作業だ。
より詳しいトラブル対処はテレビが映らないときの対処法にまとめている。
よくある質問
- 引越し先に見たい系列局がない場合、あきらめるしかないですか?
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CATVの区域外再送信や、県境付近であれば高性能アンテナでの直接受信という選択肢がある。まずは自治体や地域のケーブルテレビ事業者に対応状況を確認するとよい。こちらの記事も参考にしてほしい。【完全保存版】地上波民放5系列をすべて受信する技術的アプローチ|テレビ東京系の「壁」を超える具体策 | ラジオとテレビと配信と。
- NHKも地域によって見られないことがありますか?
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NHK(総合・Eテレ)は全国で視聴できる。地域によって見られる局が変わるのは主に民放5系列の話である。
- 光回線とCATVはどちらが区域外受信に向いていますか?
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一般的にCATVの方が区域外再送信を行っている事業者が多く、隣県局を追加できる可能性が高い。光回線は都道府県内の放送局配信が基本となる。
まとめ:まず自分の地域の系列局を確認しよう
地上波テレビをフルに楽しむには、①民放は5系列で構成され地域によって見られる局が違うこと、②系列局が少ない地域でもCATVの区域外再送信や高性能アンテナで視聴範囲を広げられる可能性があること、③引越し後は必ずチャンネルスキャンをやり直すこと、の3点を押さえておきたい。全系列が揃う地域ならアンテナや光回線で十分だが、民放が少ない地域や県境付近に住んでいるなら、CATVや高性能アンテナによる区域外受信を検討する価値がある。
お住まいの地域にどの系列局があるかは民間放送局 都道府県別・系列別一覧で確認できる。テレビ本体の選び方は4Kテレビの選び方完全ガイド、映らないトラブルへの対処はテレビが映らないときの対処法を参照してほしい。
出典
総務省「民放のネットワークについて」(系列化の経緯): https://www.soumu.go.jp/main_content/000387566.pdf
