【基礎知識】地上波テレビのチャンネルが違う?放送局の「系列」と受信方法の完全ガイド

引越し先でテレビをつけたら「いつも見ていたあの番組がやっていない」「チャンネル番号が違う」と驚いた経験はありませんか?

あるいは、これから新生活を始めるにあたり、アンテナを立てるべきか光回線にするべきか悩んでいる方もいるでしょう。

実は、日本国内であっても**「住んでいる場所(都道府県)」と「受信する方法」によって、見られる放送局(チャンネル)は大きく異なります**。

この記事では、放送と通信のプロの視点から、地上波テレビ放送の仕組みと、より多くの番組を楽しむための最適な視聴環境について解説します。

目次

結論:見られる番組は「5つの系列」と「居住地」で決まる

まず結論から申し上げます。日本の民間放送(民放)の多くは、東京のキー局を中心とした**5つのネットワーク(系列)で構成されています。(一部地方には独立系の民放局もあります。MXTV、テレビ神奈川、サンテレビなど・・)

NHK(総合・Eテレ)は全国どこでも見られますが、民放に関しては「その県に、その系列の放送局が存在するか」**ですべてが決まります。

主要な5大系列と特徴一覧

系列ネットワーク名キー局(東京)特徴・主な番組
NNN/NNS日本テレビ全国を網羅する最大ネットワーク。「金曜ロードショー」など。
JNNTBSテレビドラマや報道に定評あり。「日曜劇場」など。
FNN/FNSフジテレビバラエティやドラマが豊富。「月9」など。
ANNテレビ朝日スポーツ中継や特撮(戦隊・ライダー)に強い。「報道ステーション」。
TXNテレビ東京経済番組や独自路線のアニメ。「ワールドビジネスサテライト」。

地域による格差(クロスネットと未開局)

例えば、東京・大阪・愛知などの大都市圏では上記の5系列すべてが視聴可能です。しかし、地方によっては民放が2局〜3局しかない地域も存在します。

その場合、他系列の人気番組は「数週間遅れで放送される」か「そもそも放送されない」ことになります。

チェックポイント:

引越しを検討する際は、そのエリアに「見たい系列の放送局があるか」を確認することが重要です。

詳しい情報はこちらを参照してください「民間放送局 都道府県別・系列別一覧」

地上波テレビを楽しむおすすめの受信環境・手段

「住んでいる地域に放送局がないから諦めるしかない」と考えるのは早計です。

受信方法を変えることで、**本来その県では見られない隣の県の放送局が見られる(区域外受信)**ケースがあります。

① ケーブルテレビ(CATV) ★エリアによっては最もおすすめ

地域のケーブルテレビ局と契約し、有線で信号を引き込む方法です。

  • メリット: 電波障害に強く映像が安定している。最大の特徴は**「区域外再送信」**を行っている場合があり、地元にない系列局(隣県の放送)が見られる可能性が高いこと。
  • デメリット: 月額料金がかかる。NHK受信料とは別にCATV利用料が必要。

② 光回線(フレッツ・テレビ等) ★安定性重視ならおすすめ

インターネットの光回線(FTTH)を使ってテレビ信号を受信する方法です。

  • メリット: アンテナ設置が不要で外観がスッキリする。台風などの悪天候でも映像が乱れない。
  • デメリット: 提供エリアが限られる場合がある。基本的にその県内の放送局しか送信されないため、CATVのような「隣県の放送」は見られないことが多い。

③ 自前のUHFアンテナ設置

屋根の上などに「八木式アンテナ」や「デザインアンテナ」を設置する方法です。

  • メリット: 設置費用のみで、月額の視聴料が無料
  • デメリット: 建物の陰など電波状況に左右される。
  • 上級者向けテクニック: 県境付近に住んでいる場合、**「高性能アンテナ(パラスタックアンテナ等)」**を設置し、隣県の電波塔へ向けることで、物理的に他県の放送を直接受信(スピルオーバー受信)できる場合があります。

見落としがちな「環境・ハードウェア」のポイント

受信契約だけでなく、宅内の設備や設定も視聴の快適さを左右します。

① テレビの「地域設定(チャンネルスキャン)」

テレビは「物理チャンネル(周波数)」をスキャンして、リモコンの「1〜12」ボタンに割り当てています。

引越しをした際は、必ずテレビの設定メニューから**「初期スキャン(地域設定)」**をやり直してください。これを行わないと、以前の住居の設定のままとなり「映らない」というトラブルになります。

② アンテナケーブルの太さと品質

壁の端子からテレビまでをつなぐ同軸ケーブルにも規格があります。

地デジ・4K放送を安定して見るためには、ノイズに強い**「S-5C-FB」または「4C-FB」**という規格のケーブルを使用してください。「3C」などの細いケーブルは信号が減衰しやすく、ブロックノイズの原因になります。

映像が映らない・乱れる時のトラブルシューティング

「E202(信号が受信できません)」などのエラーが出た場合の対処法です。

  1. アンテナレベルを確認する
    • テレビの設定画面でアンテナレベル(受信強度)を確認します。推奨値を下回っている場合はブースター(増幅器)の故障や、アンテナの向きが変わってしまった可能性があります。
  2. アッテネーター(減衰器)の設定
    • 逆に「電波が強すぎる」場合も映像は映りません。送信所の近くに住んでいる場合は、テレビの設定で「アッテネーター:オン」を試してください。
  3. B-CASカード / ACASチップの確認
    • B-CASカードが正しく挿入されているか抜き差しして確認します(最近の4Kテレビは内蔵型のACASチップのため不要です)。

まとめ

地上波テレビ放送をフルに楽しむためには、以下の3点が重要です。

  1. 日本の民放は**「5つの系列」**で構成されており、地域によって見られる局が違う。
  2. 放送局が少ない地域でも、**CATVの「区域外再送信」**や高性能アンテナで視聴できる可能性がある。
  3. 引越し後は必ずテレビの**「チャンネルスキャン」**を行う。

まずは、お住まいの地域(または引越し予定地)で「どの系列局が映るのか」をネット検索や不動産屋への確認で把握しましょう。その上で、アンテナを立てるか、CATVや光回線を選ぶかを検討するのがベストな選択です。

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この記事を書いた人

4ktv管理人|通信・映像技術エンジニア
東京在住。映像・通信インフラの最前線で30年以上にわたり技術を磨いてきた、現役のシニアエンジニアです。

昨今、放送とネット配信が融合し、視聴環境が便利になる一方で、その仕組みは非常に複雑になっています。長年この業界に身を置いてきた者として、培った知識を自分だけのものにせず、次世代や一般の視聴者の方々に分かりやすく伝え、良質なコンテンツをより良い環境で楽しんでいただきたい。そんな思いから、キャリアの集大成としての「備忘録」を兼ねて、ライフワークとして本サイトを立ち上げました。

第一級陸上無線技術士、電気通信主任技術者などの国家資格に裏打ちされた正確な情報をベースに、ラジオの感度向上のコツから、最新の4K配信、周辺機器の選び方まで、技術的な裏付けを持って丁寧に解説します。

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