【保存版】ラジオ放送の仕組みと種類とは?AM・FM・ラジコ・らじるらじるの違いと選び方を解説

「推しのアイドルがラジオ番組を始めたけれど、どうやって聴けばいい?」

「災害対策にラジオを買いたいけれど、AMとFMの違いがよく分からない」

最近、ラジオは**「推し活」の必須ツールとして、また災害時のライフライン**として再注目されています。しかし、従来からの電波放送に加え、インターネット配信も普及し、その仕組みは少し複雑になっています。

この記事では、放送技術者の視点から**「AM・FM・ワイドFM・コミュニティFM」といった電波放送の仕組みと、「radiko(ラジコ)・らじる★らじる」などのネット配信**の違いについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次

ラジオ放送の主な種類と受信の仕組み

ラジオ放送の聴取方法は、大きく分けて**「電波を受信して聴く(受信機)」「インターネット経由で聴く(スマホ・PC)」**の2種類が存在します。

どちらが優れているかではなく、**「遅延(タイムラグ)」「聴取エリア」**の特性が異なるため、用途に合わせて使い分けるのが現代の賢い楽しみ方です。


電波放送(AM・FM・ワイドFM・コミュニティFM)

災害時やリアルタイム性を重視する場合に不可欠な、伝統的な「電波」による放送です。

AM放送(中波放送)

AM(Amplitude Modulation:振幅変調)は、古くからあるラジオ放送の形式です。

  • 周波数帯: 526.5kHz ~ 1606.5kHz
  • 主な放送局: NHKラジオ第1・第2、各地の広域民放局(TBSラジオ、ニッポン放送、文化放送など)
  • 特徴:電波が遠くまで届き、山や建物の裏側にも回り込みやすい性質があります。一方で、電気的なノイズ(雷、LED照明、家電など)に弱く、「ザー」という雑音が入りやすいのが欠点です。注意: 多くの民放AM局は、設備の維持コスト等の問題から、2028年を目処にAM放送を停波し、後述する「ワイドFM」へ移行する動きがあります。

FM放送(超短波放送)

FM(Frequency Modulation:周波数変調)は、高音質な放送形式です。

  • 周波数帯: 76.0MHz ~ 90.0MHz
  • 主な放送局: NHK-FM、TOKYO FM、J-WAVE、各地のFM局
  • 特徴:雑音が少なく、クリアなステレオ放送が可能です。音楽番組に非常に適しています。電波は直進性が強いため、AMに比べて放送エリアは狭くなる傾向があります。

ワイドFM(FM補完放送)

「AM放送局の番組」を「FM放送の周波数」を使って放送する仕組みです。

  • 周波数帯: 90.0MHz ~ 95.0MHz
  • 特徴:ビルやマンションの中でも受信しやすく、クリアな音質でAM局の番組(トークや野球中継)が楽しめます。最大のメリットは**「遅延がない」**こと。緊急地震速報やスポーツ中継をリアルタイムで受け取るのに最適です。ハードウェアの注意: 2014年以前に製造された古いラジオ(アナログテレビ音声非対応機)では、90MHzまでしか受信できず、ワイドFMが聴けない場合があります。

コミュニティFM

市区町村単位(例:渋谷区、武蔵野市など)の狭いエリアを対象としたFM放送局です。

  • 周波数帯: 76.1MHz ~ 94.9MHz の範囲内で割り当て
  • 特徴:地域住民のための放送局です。平時は地域のイベント情報や音楽を流していますが、災害時には**「給水所の場所」「近所の避難所開設状況」など、大手メディアでは扱わない超詳細なライフライン情報**を発信します。
  • 聴取方法:地元のFM電波だけでなく、「ListenRadio(リスラジ)」や「JCBAサイマル」などの専用アプリを通じて、全国どこからでも聴ける局が多いです。

インターネット配信(IPサイマルラジオ)

スマートフォンやPCを使い、アンテナ不要でクリアな音質を楽しめる現代の主流です。

radiko(ラジコ)

民放ラジオ局を中心とした、国内最大級のラジオ配信プラットフォームです。

  • 伝送路: インターネット回線
  • 特徴:ネットさえ繋がればノイズのない高音質(ステレオ)で聴取可能。最大の特徴は**「タイムフリー機能」で、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことができます。また、有料プラン(プレミアム)では、全国どこの放送局でも聴ける「エリアフリー機能」**が利用可能です。

らじる★らじる

NHKが運営する公式ラジオ配信サービスです。

  • 配信内容: NHKラジオ第1(R1)・第2(R2)・FM
  • 特徴:完全無料で利用できます。語学講座、国会中継、大相撲、高校野球などを聴くのに最適です。「聴き逃し配信」機能も充実しており、語学学習の復習などに役立ちます。

目的別・最適な聴取手段の比較一覧

これら多様な手段は、目的(推し活、防災、学習)に合わせて使い分けるのが正解です。以下の比較表を参考にしてください。

放送形態ごとのスペック比較表

項目radiko (ラジコ)らじる★らじるワイドFM / FMAM放送コミュニティFM
主な放送局民放局NHK民放AM/FM・NHK民放・NHK地域FM局
受信周波数76.0~95.0MHz526.5~1606.5kHz76.1~94.9MHz
音質◎ 高音質 (ステレオ)◎ 高音質 (ステレオ)◯ 高音質 (ステレオ)△ 低音質 (モノラル)◯ / ◎
遅延 (ラグ)あり (数秒~数分)あり (数十秒)なし (ほぼ0秒)なし (ほぼ0秒)電波はなし
エリア制限あり (※有料で解除)なし (全国無料)都道府県単位広域市区町村単位
過去聴取 (タイムフリー) (聴き逃し)××× (一部あり)
おすすめ推し活・日常学習・ニュース防災・時報遠距離受信地域防災

あなたはどれを選ぶ?おすすめの活用シーン

1. 推し活・日常利用なら「radiko」

「深夜の番組を朝の通勤中に聴きたい」「雑音なく推しの声を聴きたい」という場合は、radiko一択です。

Bluetoothイヤホンやスピーカーと組み合わせることで、非常に快適なエンタメ環境が整います。「エリアフリー」を使えば、地方局に出演しているタレントの番組も東京で聴くことができます。

2. 学習・ニュースなら「らじる★らじる」

「基礎英語」などの語学講座や、国会中継、緊急ニュースを聴きたい場合は**NHK公式の「らじる★らじる」**が便利です。CMが入らず、落ち着いて情報を摂取できます。

3. 防災・速報重視なら「ワイドFM」と「コミュニティFM」

災害発生時、ネット回線が混雑・遮断された場合に頼りになるのは**「ラジオ受信機(電波)」**です。

  • 広域情報: ワイドFM対応ラジオ(90.0~95.0MHz受信対応機)で、県全体の被害状況や政府の発表を聴く。
  • 地域情報: コミュニティFMで、自分の住む街の避難所情報などを得る。

インターネットの「radiko」は、仕組み上どうしても数十秒〜数分の遅延が発生するため、緊急地震速報には間に合いません。一家に一台、電池で動く「ワイドFM対応ラジオ」を備えておくことを強く推奨します。


まとめ

ラジオを楽しむためのポイントを整理します。

  1. エンタメは「radiko」: 民放番組のタイムフリー・エリアフリーはこれ。
  2. 学習は「らじる★らじる」: NHKの語学やニュースはここ。
  3. 備えは「ワイドFM」: 災害時やリアルタイム性を求めるなら、90.0MHz以上が受信できるラジオ受信機が必須。
  4. 地域情報は「コミュニティFM」: 有事の際、最も身近な情報を届けてくれる。

Next Action:

まずは、お手持ちのスマートフォンに**「radiko」をインストールしてみましょう。そして検索窓に「好きなアーティスト」や「興味のある趣味」を入力してみてください。

また、防災用に「お住まいの地域 + コミュニティFM」**で検索し、周波数をメモしておくことも今日からできる防災対策です。

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この記事を書いた人

4ktv管理人|通信・映像技術エンジニア
東京在住。映像・通信インフラの最前線で30年以上にわたり技術を磨いてきた、現役のシニアエンジニアです。

昨今、放送とネット配信が融合し、視聴環境が便利になる一方で、その仕組みは非常に複雑になっています。長年この業界に身を置いてきた者として、培った知識を自分だけのものにせず、次世代や一般の視聴者の方々に分かりやすく伝え、良質なコンテンツをより良い環境で楽しんでいただきたい。そんな思いから、キャリアの集大成としての「備忘録」を兼ねて、ライフワークとして本サイトを立ち上げました。

第一級陸上無線技術士、電気通信主任技術者などの国家資格に裏打ちされた正確な情報をベースに、ラジオの感度向上のコツから、最新の4K配信、周辺機器の選び方まで、技術的な裏付けを持って丁寧に解説します。

技術の面白さを共有しつつ、皆様のデジタルライフが少しでも豊かになるお手伝いができれば幸いです。

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